「行かはる」「来(き)ゃはる」「起きはる」「寝はる」。
この「〜はる」は、京都人なら誰でも普通に使っています。
「なさるーなはるーはる」と、尊敬語から丁寧語に変化したものですが、今は敬語ではないけれど、相手のことを大切に扱っている感があります。
例えば、友人との会話を共通語と京ことばで比較してみましょう。
共通語 「○○さんは来(く)るの?」「来るよ」
京ことば 「○○さん来(き)ゃはるの?」「来ゃはるよ」
いかがでしょうか、京ことばの方が柔らかく感じるでしょう?「はる」は相手との間のクッションの役目をしているのです。
京都では夏でも冬でも「はる」で幸せ。とっても便利な言葉ですから、残したいと思います。
他にも私が残したい京ことば、「はんなり」があります。誉め言葉が極めて少ない京ことばですが、その少ない中のひとつです。「スカッと陽気で上品な明るさ」という意味で、主に色彩について言います。
京都らしさを表現するのに、「はんなり」はよく使われます。しかし、とんでもない使い方をしていることも多々あります。
ある和風料理店の広告に、「はんなり豚」とあり、思わず「何これ!」と大きい声を出してしまいました。腹立たしいのを通り越し、笑ってしまったものです。
言葉は変化するものですが、こんな使い方は、「トンでもない」ですよ。
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