面白ことば

 スーパーマーケットで買い物をしていると、「これシガンダやな」と後ろから聞こえてきました。久しぶりに聞いた「シガンダ」に思わず振り向くと、中年の女性がアボカドを手に取りそう言って、ポンと元に戻したのです。私もアボカドを手に取って見ると、確かに皮全体にシワが寄っています。でも、どれを取ってもアボカドの外側はシワシワです。これを「シガンダ」と言ってしまえば、アボカドはちょっと可哀相な気がします。
 「シガンダ」は、シガムー縮むー痩せて貧相な、という意味になったので、こういう使い方がもありかなと思わず笑ってしまいました。
 他にも面白い言葉はたくさんあります。
 「あんなァヘェ」
これは、その中でもベストスリーに入るのではないでしょうか。「あのねぇ」ということなのですが、「へぇ」がついているので、他都市の方には自分で言って自分で返事をしているみたいみたいに聞こえるのでしょう。友達や親しい人に使います。
 それ以外にも、
 「ハダハダ」気が合わないこと。
 「チョチョコバル」うずくまる、かがむ。
 「キチキチ」ぴったり。
 「ツーツー」筒抜け。
 「チャラチャラ」軽薄な、ふざけて。

 土地の言葉には味も香りもあります。何百年もの間培われた文化を大切に、京都だけでなく日本中の方言を残してほしいと願っています。共通語とお国言葉が喋れる和製バイリンガルになってください。

※このコラムは「月刊 茶の間10月号(よろしおすえ京ことば)」に掲載されたものです。


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